メモに関するメモ

📝 『新明解』は〈メモ〉を「(後の必要に備えて)手帳・ノート・カードなどに大事なことの要点などを書き記すこと(書き記したもの)」と定義している。若干異論がある。メモは後の必要に備えるばかりではないし、必ずしも大事なことの要点とも限らない。実は、忘れてもいいように書き留めることもあるのだ。すなわち、安心な忘却のための記録行為。

📝 メモ(memo)は覚書メモランダムmemorandum)が省略されたものだが、今ではニュアンスとしては別物になった。二国間交渉の覚書が「メモ」では頼りないし、子どもへの「テーブルの上のおやつ、食べてね」という走り書きを「メモランダム」と呼ぶのは場違いである。

📝 後で読み返すつもりでメモする。後で読み返すつもりがなくてもメモする。何も考えずに、習慣的に――癖のように――メモする。しないよりはしたほうが何となく安心なのでメモする。メモという意識すらなくひたすらメモする。

📝 本には知らない単語が出てくるが、自分で書き記したメモに知らない単語はない。しかし、後日判読できない自分の手書きに出合う。書いたのに、再生できないメモがある。

📝 明確にわかっていないことをひとまずアバウトに書き記す。書いた文字が文章になり、少しずつ思いの輪郭が見えてくる。メモには、書いて考える、書いてわかる、書いて自覚するなどの効用がある。つまり、結果としてではなく、過程としてのメモの効用。

📝 日々の隙間の時間にメモしながらノートと戯れる。終日ひねもすメモなどできないが、木漏れ日射す午後のひと時、コーヒーを啜りながらノートを開く瞬間にちょっとワクワクすることがある。

📝 言いたいけれど大きな声では言いにくい時、小さな字でメモしておく。

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proconcept

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岡野勝志(おかのかつし) 1951年大阪生まれ 企画の総合シンクタンク「株式会社プロコンセプト研究所」所長 企画アイディエーター 岡野塾主宰 ヒューマンスキルをテーマにしたオリジナルの新講座を開発し、私塾・セミナー・ワークショップ・研修のレクチャラーをつとめる。 マーケティング、コミュニケーションにまつわる企業や人

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