エトルリアの街

トラベラーズノート200439日からの抜き書き。実に細かく書いている。十年前は今よりもだいぶマメだった。

ローマのホテルスパーニャでの朝食ビュッフェは果物豊富。ランチはテルミニ駅構内のトラットリア。チキンにポテト。ペンネのゴルゴンゾーラ。

ローマテルミニ駅13:48発ユーロスター。ペルージャ駅15:53着。駅前バスターミナルから7番のバスでイタリア広場へ。古い建物を改築した、いびつな構造のホテルにチェックイン。手渡された鍵には凝った細工がほどこされている。

夕暮れ前、荷解きもそこそこにして街歩き。イタリア広場からヴァンヌッチ通りを北へ250メートルほど行くと「クアットロ・ノヴェンブレ(114日)広場」に出る。ペルージャの象徴的なシンボルの大聖堂、プリオーリ宮、大噴水などがひしめいている。スーパーで惣菜を購入して夕食とする。瓶詰めムール貝、たっぷりサラダ、モツァレラ、カットピザ、赤ワイン。

ローマから北へ列車で2時間、小高い丘にペルージャがたたずむ。紀元前8世紀まで遡れば、ここはイタリア半島に原住していたエトルリア人の街であった。やがて古代ローマ人と同化したという。コンパクトな街なので1時間もあれば徒歩で一巡りできる。建物はおおむね古色蒼然としており、裏通りから坂を上がって行くとエトルリア時代名残りの建造物が威風堂々と構えている。


イタリアで経験してみたいと思いながら、実現できていないことが二つある。理髪と映画鑑賞である。いずれも語学力を試す格好の場だが、聴いていればいい後者に対して、前者は細かいニュアンスの希望を伝えねばならない。特殊な教本で表現を覚えたりもしたが、理髪店を覗けば常連ばかり。そこに旅の人間が入店するにはかなりの勇気を要する。それと、マフィア系の映画だったか、床屋で客が喉を搔き切られるシーンを思い出してしまう。躊躇して結局は店の前を通り過ぎることになる。

ペルージャの映画館テアートロは小ぢんまりとしていて入りやすそうに見えた。しかし、ちょっと待てよ。翌日は正午に列車に乗ってフィレンツェに向かうのだ。わずか12日、正味20時間ほどの滞在なのに、2時間を割いて映画を観るのか。そう自分を問い詰めたら、答えはノーだった。

IMG_5633Katsushi Okano
Teatro, Perugia
2004
Watercolors, ink, pastel

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岡野勝志(おかのかつし) 企画の総合シンクタンク「株式会社プロコンセプト研究所」所長 企画アイディエーター/岡野塾主宰 ヒューマンスキルとコミュニケーションをテーマにしたオリジナルの新講座を開発し、私塾・セミナー・ワークショップ・研修のレクチャラーをつとめる。

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