腹八分目の生き方

謹賀新年。いつも拙い文章をご笑覧いただきありがとうございます。本年もよろしくお付き合いのほどお願い申し上げます。


「う~ん、ちょっと物足りないなあ。もう少し欲しいが、いや、う~ん、やっぱりここらでめておくか……」

長年、出張先の朝食はほぼビュッフェスタイル。食べられるだけ食べていた。時には、その貪りようを卑しいと思うことさえあった。一年前の34日の出張では満腹前に席を立つようにした。言うまでもなく、腹いっぱいよりは軽快に朝を過ごすことができた。

「腹八分目」とは食べることについて言っているのだが、食べること以外の生活上、人生上の諸々の比喩でもある。つまり、貪るな、分をわきまえよと促し、過剰よりも「やや不足」のほうをすすめる。欲望と抑制のバランスを上手に取るのは容易ではない。

何を嗜むにしても程々がよいのは承知している。たった一回でも度を過ぎてしまうと、そのツケをしばらく払い続けることになる。かと言って、何もなければどうしようもないから、必要なものは求めようとするし、ついでに欲するもの望むものも手に入れたくなる。「不要不急」? たしかに。人生の大半はそういうものだろう。

去る二日に書き初めをしようと思い、納戸から道具を取り出したが、半紙だけがない。次の日に近くのモールの文具売場で買い求めた。さて、半紙は必要だったのか否か。なければないで、書き初めを諦めれば済む。しかし、何もかも不要不急で片づけてしまうと、文化は消え、人生は殺伐となる。極端はいけない。腹八分目といういいことばがあるではないか。と言うわけで、少し遅くなったが、今年の初硯は「人生腹八分目」とした。

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proconcept

岡野勝志(おかのかつし) 1951年大阪生まれ 企画の総合シンクタンク「株式会社プロコンセプト研究所」所長 企画アイディエーター 岡野塾主宰 ヒューマンスキルをテーマにしたオリジナルの新講座を開発し、私塾・セミナー・ワークショップ・研修のレクチャラーをつとめる。 マーケティング、コミュニケーションにまつわる企業や人

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