シャンプーとリンス

この時期理髪店に行くと、シャンプーもトニックも涼感メントールを使ってくれる。すっきり爽やかな気分になって店を出る。但し、効果は長続きしない。灼熱の空気の中をしばらく歩いているうちに頭と額から汗が滲み出る。

「シャンプーとリンス」という題名ではあるが、記憶と検索にまつわるエピソードを書く。先日、シャワーを浴びシャンプーをしている最中に「ブログでシャンプーということばを使ったことがあったかなあ?」とふと思ったのである。書いた覚えはあるが、どんな内容かまったく思い出せない。

こんな時、手帳で探し当てるにはエネルギーを要するが、ブログなら記憶にないことを一発検索できる。検索窓に「シャンプー」と入力したら1件がヒットした。1件のみである。次のような文章を7年半前に書いている。

「理髪店に行くと、何かが変わる」という一文を読んだことがある。たしか、「まずヘアスタイルが変わり気分が変わる」ようなことが書いてあった。そして、「もしかすると、魂が変わり、ひょっとすると、髪型だけではなく顔も変わるかもしれない」というようなことが続いた。しかし、現実に変わるのは髪型と気分だけで、それ以外は変わらない。変わると思うのは妄想である……と書いてあったような気がする。理髪店は妄想の時間を提供してくれる。だから、最後にシャンプーで妄想を洗い流す……

以前読んだ本のうろ覚えの話を再現した文章である。妄想多き人にはシャンプーをおすすめしたい。


シャンプーとくれば、次はリンスである。シャンプーのことは書いても、リンスはたぶん書いていないと半ば確信して、これも検索してみた。驚いた。1件だったシャンプーに対して、リンスは3件ヒットしたのである。リンスのことを3回も書いたとはにわかに信じがたかった。1件目は次の文章である。

(……)カフェやレストランは四季の節目単位で模様替えしているかのようである。しばらく足を踏み入れないと、迷宮(ラビリンス)のさすらい人になりかねない。

意味内容まで精査せずに、文字づらだけを探し出すのが検索。ラビリンスの「リンス」を拾った。リンス違いである。シャンプーで妄想を流した後は、リンスしてさまようのか。

2件目と3件目は同じ。なんと「ガソリンスタンド」である。ガソリンスタンドからリンスを拾うとは、PC検索ならではの「ぎなた読み」である。

と言うわけで、本家のリンスについては一度も書いてないことがわかったが、今回のこの記事の公開後、早速検索に引っ掛かることになる。

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岡野勝志(おかのかつし) 企画の総合シンクタンク「株式会社プロコンセプト研究所」所長 企画アイディエーター/岡野塾主宰 ヒューマンスキルとコミュニケーションをテーマにしたオリジナルの新講座を開発し、私塾・セミナー・ワークショップ・研修のレクチャラーをつとめる。

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