何か愉快なことないですか?

ここのところ、寒い日が続いています。暖房して部屋が暖まってくると眠くなります。急ぎの仕事があれば睡魔と闘います。なければ、目を見開こうと頑張らず、静かに目を閉じます。数日前に「何か愉快なことないですか?」と挨拶代わりのメールをもらいました。「愉快な本を読むか、自分が愉快と思うことを書いてみたら?」と返信しました。

ユーモアや笑いの本は数百冊所蔵しています。仕分けが面倒なので、デスクの後ろの棚にも他のジャンルの本と一緒にいろいろと置いてあります。古本屋で見つけてきた本ばかり。よく愛読したのが『偽書百選』。著者名も書名もすべて創作で、百冊を書評風に紹介している本です。『永遠のジャック&ベティ』は読んだ人もいるでしょう。この種のジャンルでは名作とされています。

パロディ本の『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』は数年前に出て評判になりました。わずか4刷で10万部に達し、発行年のうちに15万を越えたそうです。その後どれだけ売れたかは知りません。原作の文体や内容を模倣してカップ焼きそばの題材に置き換えて書いたわけです。ざっと読みました。原作を知らないと愉快のツボがわからないので退屈です。よく売れたものだと感心します。書名がいかに重要かという証でしょう。


自分が愉快と感じることだけが愉快の拠り所です。お笑い芸人の「いつもここから」の山田一成の『やまだ眼』も、「銀シャリ」の鰻和弘の『どう使うねん』もページごとにおもしろさに波がありますが、本人たちは愉快だと思って書いています。読者の愉快観と異なることもあれば共鳴することもあるのは当然です。数ページに一度共鳴すれば十分だとぼくは思っています。

愉快と思うから読み、できれば愉快を自ら書いてみる。愉快がるのが動機であって、読む人たちがどう感じるかは二の次です。自分で愉快と思うことをノートに書いて、講演のつかみやオチに使ったり、ごく稀に本ブログに転記したりしています。暇な時には形式だけ真似た川柳まがい、狂歌まがい、都々逸まがいの駄作をメモしています。

ところで、今日はいつもと違って「です/ます」で書いてみましたが、まじめに書いていてもどこか「可笑しさ」が滲み出てくるものです。政治家の「新型コロナについて対策を講じてまいる所存でございます」が、ジョークのようでギャグっぽく聞こえるのと同じです。なんでもかんでも「です/ます」としておけば無難と考えるのは浅はかです。書いてみれば楽ですが、怪しくてインチキ臭い感じもします。と言うわけで、今日の文体は最初で最後としたいと思います。

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proconcept

岡野勝志(おかのかつし) 1951年大阪生まれ 企画の総合シンクタンク「株式会社プロコンセプト研究所」所長 企画アイディエーター 岡野塾主宰 ヒューマンスキルをテーマにしたオリジナルの新講座を開発し、私塾・セミナー・ワークショップ・研修のレクチャラーをつとめる。 マーケティング、コミュニケーションにまつわる企業や人

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