近場のそぞろ歩き

ここ10年以上、ゴールデンウィークは遠出していない。メトロとバスを使って半日ほど郊外に出掛ける程度だ。その翌日は、ランチついでに自宅から半時間圏内の街中を当てもなくぶらつく。勝手知ったる場所でもいろいろと発見と再発見がある。昨日がそんな日だった。

土地勘はいい加減なもの。何を以てこの街を知っていると胸を張れるのか。発見と再発見のつど、知識と記憶のいい加減さや曖昧さに気づかされる。見た目よりも、町名や通りや筋の名称に発見が多い。町名はたいてい知っているが、「えっ、ここも〇〇町!?」という、地理上の誤認識はよくある。

大阪市内では原則、東西の道を「通り」、南北の道を「筋」と呼ぶので比較的わかりやすい。しかし、マイナーな通りにも筋にも一応名前が付いているから、サインを見て初めて知る名称も少なくない。三休橋という地名はよく知っているが、北浜から心斎橋あたりまでのよく歩く一本道に三休橋筋という名が付いているのは初めて知った。

スマホで地図をチェックしていたら、紀州街道の文字が出てきた。道修町の少彦名神社近くを走っている。知らなかった。中央区の高麗橋を起点として、船場から日本橋を経て大和川を渡り、和歌山城のある京橋を終点とする街道だ。

歩いたエリアはオフィス街なので、人通りも少なかったしほとんどの店が休業していた。普段なら車も多いのでじっくりと街並みに目配りすることはないが、昨日は店のファサードやしつらえのディテールもよく見えた。今度数カ月ぶりに歩くと、もう何が何だかわからないくらい街角が大化けしているかもしれない。

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岡野勝志(おかのかつし) 企画の総合シンクタンク「株式会社プロコンセプト研究所」所長 企画アイディエーター/岡野塾主宰 ヒューマンスキルとコミュニケーションをテーマにしたオリジナルの新講座を開発し、私塾・セミナー・ワークショップ・研修のレクチャラーをつとめる。

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