今日のことば、あれこれ。ただ書くがまま思うがままである。他意はない。
『バッハのすべて』を読む。もちろん、この一冊でバッハのすべてがわかるはずもないし、わかってやるぞと思うわけではない。バッハは作曲家であり演奏家であり教育者であった。すべてに超のつく「名」がつく。加えて、楽器、とりわけオルガンの名鑑定家としても知られていた。18世紀当時、オルガンと言えば教会。響きには北ドイツ系、オランダ系、フランス系などがあったという。オルガンは製作されるものではなく、「建造」されるものであった。そんなプロジェクトにバッハは関わってもいたのである。
「音楽は精神の中から、日常の生活の塵埃を除去する。 」
(ヨハン・セバスチャン・バッハ)
三年前の今頃、パリはサン・ジェルヴェ・サン・プロテ教会。そこで最古のパイプオルガンの響きを体感した時、音楽の奇跡的な浄化作用を確信した。塵埃が積もり過ぎてしまう前に、精神、つまりは脳の自浄作用が働くように音楽サプリを摂取しておくのがよい。
柿が好きだ。昨夜も京都でほどよく熟した柿のデザートを堪能した。今夜も食後に柿を食した。酸味のある果物が苦手と思われているのだが、そんなことはない。ただ、口あたりのよいほどよく甘い果物のほうが好きだというだけのことである。それにしても、果物はえらいと思う。八木重吉にこんな短詩がある。
果物
秋になると
果物はなにもかも忘れてしまつて
うつとりと実のつてゆくらしい
昨日花園大学に行った際に『ブッダのおしえ 「お経」のことば』という小冊子が廊下のテーブルの上に置いてあった。「自由にお持ち帰りください」とは書いていなかったが、持って帰っていけないわけがない。と言うわけで、今手元にある。
八正道の話が書いてある。煩悩の根本を滅ぼして執着を離れれば苦しみがなくなる……そのために修めるべき八つの正しい道がある。
正見 (正しい見方)
正思惟 (正しい考え方)
正語 (正しいことば)
正業 (正しいおこない)
正命 (正しい生活)
正精進 (正しい努力)
正念 (正しい思い)
正定 (正しい心の統一)
実は、数年前からぼくの企画の演習の中にも取り入れている。上記の八正道を紹介した後に「八正道を九正道にしたい。あと一つ何を付け加えるか?」という演習。やさしそうだが、すでに存在している八正道との折り合いもあるから、やや骨が折れる。正食、正縁、正聴などが加わってもよさそうだ。正笑や正遊も候補に挙がるかもしれない。