はい。はい。はい。

週に一回、出社前に近くのカフェに寄ることがある。自宅でも一杯飲んでいるので、注文するのはたいてい濃くて少量のエスプレッソかカフェラテである。ちなみに、カフェラテはエスプレッソコーヒーに泡立てたミルクを注ぎ、カフェオーレはふつうのコーヒーに温めたミルクを混ぜる。今朝はアイスカフェラテを注文した。

「アイスカフェラテ、ください」 (千円札を出す)
「店内でお召し上がりですか?」
「はい」 (一度目)
「千円からでよろしいですか?」 (「よろしかったですか」よりはマシか)
「はい」 (二度目)
「シロップはお付けしますか?」
「はい」 (三度目)

☆      ☆     ☆

一人で来たので、さすがに「一杯ですね?」とは聞かれなかった。そう聞かれていたら、「はい。はい。はい。はい。」になっていたわけだ。四度でなく、三度で済んだことが「せめてもの慰め」とは情けない。こんなロボット仕掛けみたいなやりとりにうんざり。

職務質問時ですら、「はい」以外の会話はあるに違いない。熟年オヤジが朝から「はい。はい。はい。」を強制されて、これじゃまるで教師に諭されている小学生の気分だ。前の二つの「はい」には我慢しよう。しかし、ぼくもそうだが、ぼくの知り合いもシロップに関しては十中八九「はい」である。ホットコーヒーに砂糖を入れない人たちも、アイス系になるとシロップを使うことが多い。たぶんこの店でもきっとそうだろう。

いや、「うちでは十中八九までいかなくて、十中六七です」と言うかもしれない。それでもだ、シロップにイエスという頻度が過半数以上ならば、黙ってシロップをトレイに置けばいいではないか。そして、シロップを使わない人に「あ、それいらないよ」という一言をもらえばいい。ぼくはたまにそう言う。ぜひそうしていただきたい。これにより、ぼくは二回の「はい」で朝を過ごせるし、シロップのいらない人も「はい以外の会話」を楽しめるというものだ。

明日のブログでは、今年3月に体験したパリのカフェの粋を紹介したい。  

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proconcept

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岡野勝志(おかのかつし) 1951年大阪生まれ 企画の総合シンクタンク「株式会社プロコンセプト研究所」所長 企画アイディエーター 岡野塾主宰 ヒューマンスキルをテーマにしたオリジナルの新講座を開発し、私塾・セミナー・ワークショップ・研修のレクチャラーをつとめる。 マーケティング、コミュニケーションにまつわる企業や人

「はい。はい。はい。」への2件のフィードバック

  1. おっしゃる通り、最近のチェーンストアのマニュアル接客用語は凄く気になってしまいます。既に数年前からマスコミなどで取り上げられているにもかかわらず、よりひどくなっているように感じます。ストア本部の責任者は、これほど世間を賑わせているのに、直そうとする気はないのでしょうかね? 不思議です。

  2. マニュアル人間さんならわかるはず。マニュアル人間はマニュアル人間がつくる。ストア本部の責任者がマニュアル人間でないなら、定番アルゴリズムのような教育はそもそもしない。血の通わないロボット人間を製造しているのは、血の通わないロボット教師という構図。人生の醍醐味は、ぬり絵ではなく、白い紙に試行錯誤と一期一会の真剣な絵を描くことだと思う。バカ丁寧な失礼よりも、少々失礼な当意即妙に人間性を感じるのは、無名戦士の反骨精神? 必ずしもそうとは思わないんだけど……。

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