「ふわっ」

昨日からいろいろ考えていたが、初硯にこれという漢字が見つからなかった。朝から奈良に出掛けて、興福寺、春日大社、東大寺を廻ってきたので何かありそうなものだが、まったく思い浮かばない。小学生のように「春日大社」と書き初めする手もあるが、大社に筆を揮(ふる)うほどの思い入れがない。今日もあまりの人の多さに途中で引き返したほどだから。

書き初めに代えて彫り初めすることにした。消しゴムに「ふわっ」を彫った。「ふわっと」ではなく「ふわっ」。「ふわっと」だと「何が?」と問われそう。いったい何が浮かんだのだ、何がやわらかく膨らんできたのだと聞かれても困る。具体的な何かをイメージしたのではなく、ただ「ふわっ」。何となくの「ふわっ」なのである。

しかし、そんな「ふわっ」がありえるのか? たぶんありえない。敢えて言えば、気分や場面や人の性格のことになるのだろうか。なごませるような雰囲気、気持のよさ、温かいさま……。それなら「ほんわか」でもよさそうだ。いや、辞書に載っていない「ふわっ」のほうが面白味がある、と判断した次第。

「ふわっ」が苦手な性分である。意識すると、力が入って「ふわっ!!」になる。無理している感が漂う。「ふわっ」な感じの生き方をしている人が羨ましい。いい感じに生きているなあと思う。「ふう」と息を吐いて、少しでも「ふわっ」に近づけるようになりたいものだ。

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岡野勝志(おかのかつし) 1951年大阪生まれ 企画の総合シンクタンク「株式会社プロコンセプト研究所」所長 企画アイディエーター 岡野塾主宰 ヒューマンスキルをテーマにしたオリジナルの新講座を開発し、私塾・セミナー・ワークショップ・研修のレクチャラーをつとめる。 マーケティング、コミュニケーションにまつわる企業や人

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