サンフランシスコ日記(4)曲がりくねる坂

ガイドブックを頼りにハイド通りをハァハァと息を切らせながら上がってきた。人だかりしているその場所がロンバード通り。あまりにも傾斜がきついので、1920年代に意識的に道をくねらせた。どうくねらせたかと言うと、5メートル下っては道を曲げ、また5メートル下っては道を曲げた。これを何度か繰り返して勾配を少しでもゆるやかにしようとしたのである。

勾配はゆるやかになったものの、車は曲がった直後に次の急カーブに備えなくてはならない。この曲線の坂を下るすべての車は歩くより遅い。赤いレンガを敷き詰め、カーブを描く道路に沿って色とりどりの鮮やかな花々が花壇を飾りたてている。この一画に住んでいる人の車の往来も見かけたが、観光で訪れている大勢のドライバーたちがここを通りたがる。運転しながらも、前の車がつかえるとすぐさまカメラを構えるドライバーもいる。

カメラを構えながら、ゆっくり急勾配の階段を下りては立ち止まりして写真に収めた。家の建て方にも工夫があり、眼下に海岸が見晴らせるので住むには恰好のロケーション。しかし、観光シーズンはさぞかし迷惑に違いない。意識して観光スポットにしたわけではなく、そもそも住民便宜のための工夫だったはずだから、自宅周辺を観光客がたむろするとは想定外なのである。

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ロンバード通りを坂上から下る。光景➊
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光景➋
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光景❸
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光景➍
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光景➎
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通りの終わりまで降りきってから見上げる。花壇の合間を縫うようにくねくねと道が折れている様子がわかる。ここを車が徐行する。

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岡野勝志(おかのかつし) 企画の総合シンクタンク「株式会社プロコンセプト研究所」所長 企画アイディエーター/岡野塾主宰 ヒューマンスキルとコミュニケーションをテーマにしたオリジナルの新講座を開発し、私塾・セミナー・ワークショップ・研修のレクチャラーをつとめる。

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