滞在しているのは日本人の従妹の住まい。彼女は日本の大学卒業後にアメリカの大学院に留学し、そのまま居ついてしまった。会計監査法人などの勤務を経て、現在ホンダ・アメリカの財務部の要職に就いている。ポーランド系アメリカ人のご主人も同じ会社のITスタッフだ。ホンダの敷地内に入りオフィスの中まで見学させてもらった。社長や役員用の個室はない。みんな”フラット”である。デスクはパーティションで区切られ、マネジャー職以上のスペースはやや広いものの、自由闊達な空気を感じる。
夫妻には6歳になる三つ子がいる。今年9月に小学1年生になるこの子たち――男の子二人と女の子――はものすごくエネルギッシュで日々忙しい。月曜日から金曜日まで9時から8時間義務教育の幼稚園に通っている。ふつうは午後2時頃までらしいが、両親が働いているので5時まで面倒見てくれる。土曜日には日本の学校法人が経営する日本語学校へ。そして日曜日は10時半から正午過ぎまで教会の日曜学校だ。
住居は住宅街のど真ん中。住宅以外は学校と教会と医院があるばかりで、コンビニもショップも何もない。一番近いモールまで徒歩30分。歩く人はまずいないが、ぼくは歩いた。歩くしか手段がないからだ。自転車はあるが、坂道なので、行きはよいが帰りはつらい。とは言え、夕方から夜にかけてジョギングや速歩をしている人たちもいる。とにかく景観がいいので、ジョギングにも散歩にも最適な環境だ。
ロサンゼルスの中心街から南へフリーウェイで約50分、国際空港からは30分くらいのロケーション。海辺までは少し距離があるが、高台なので海岸もよく見える。日曜日の昼に庭でバーベキューをしてくれた。こちらに来る前の想定通り、今日まで肉食中心の生活になっている。体重は2、3キロ増えたに違いない。陽射しは思ったほど強くはないし、日中も暑さを感じない。その証拠に、ぼくはずっとフリースの裏地がついたウインドブレーカーを着ている。