動詞は活用で分類できる。また、種別で見ると自動詞、他動詞、可能動詞、補助動詞などと分けられる。
このような文法的な知識が優勢になると、動詞は味気ない品詞になる。対して、日々の自らのおこない、取り巻く場の様子と変わりようなどを素朴な自然体で見ると、生活の中で生き生きとしている動詞が浮き上がってくる。
〈例文〉
朝6時半に起きる。起きることを前提にして前夜に寝る、そして眠る。起きて空腹を覚えると、朝食を食べる。その前にトイレに行く、身体を動かす、顔を洗うなどの動作があるかもしれない。そして家を出る、歩く、電車の中で立つ。喫茶店に入る、座る、コーヒーを飲む。あるいは、働く、誰かに会う、弁当を買う……こうして半日が過ぎる。過ぎ方は日によって異なる。
動詞の大半が人の動作を表す。上記の例文中の、起きる、寝る、眠る、食べる、行く、動かす、洗う、出る、歩く、立つ、入る、座る、飲む、働く、会う、買うが「動作」の動詞である。思いつくまま挙げると、話す、回す、開く、閉じる、運ぶ、着る、脱ぐ、駆ける、描く、取る、叩くなどいろいろある。動作の動詞は枚挙にいとまがない。
上記例文の20の動詞のうち、動作とは別の性質を持つ動詞が4つある。覚える、ある、過ぎる、異なるの4つだ。覚えると異なるは「状態」を表す。見える、感じる、聞こえる、違う、優るなどがこのグループに入る。あるは「存在」を表す(いるも存在)。過ぎるは「作用」を表す。燃える、流れる、落ちる、効く、揺れる、弾むなども何かの結果で作用する動詞である。
人は動詞とともに生きている。いや、動詞的に生きている。人が生きているかぎり、人は動いている。人が動作するとそこから別の作用が生まれる。ボールを壁に投げれば跳ね返ってくるように。動いている人は存在しているし、存在している人は、目立って動いていなくても、何らかの状態にあって感覚し分別している。
名詞や形容詞は人の個性を色付けするが、動詞は分け隔てなくどんな人にも当てはまる。












