チーズケーキ
ある日、あるカフェにて。
「こちらケーキセットのチーズケーキになります。カロリーも甘さも控えめの手作りケーキでございます」
う~ん、おいしさもかなり控えめだった。
ガツとセロリ
めったに手に入らない豚の第一胃、ガツ。すでに茹でてあるものを買う。一口サイズに切って塩・コショウ・酒で下味をつけ、片栗粉を混ぜ合わせて炒める。次いで、適当に切ったセロリを――セロリのみを――加える。おろしにんにくを好みで足すが、他の野菜はガツの邪魔になるので一切入れない。火が通った頃を見計らって、あらかじめ合わせておいたナンプラー・オイスターソース・酒・水を少しずつまぶしながら炒める。調味料はすべて目分量。
ナマコ
「ナマコを最初に食べた人はえらいと思う」という声をよく聞くが、最初に食べた人を特定するのは不可能。何千年か何万年前か知らないが、ネットも新聞もない時代にナマコを最初に食べたのが自分であるという自覚ができたはずがない。
ある者がナマコというものを見つけた。手に取った。食べられるものかどうかはわからないし、他の人間が食べているのかどうかもわからないが――いや、こんなことすら考えもせずに――とにかく腹が減っていたので口に運んでみた。うまいと思ったわけではないが、食って食えないものではない。その者が、その後、誰にも言わずにこっそりナマコを一人で食べ続けたとは考えづらい。おそらく集団とシェアして食ったはずである。こんなことが、ナマコが棲息する各地でシンクロニシティのごとく起こったと思われる。
しかし、ナマコはメジャーにはならなかった。今のわれわれのナマコとの付き合いを見ればわかる。集団でナマコを常食するような食習慣は世界のどこにも見当たらない。小料理屋で旬の季節に、オヤジが一人、ナマコの酢の物を酒のつまみにする程度の消費である。
ともあれ、「ナマコを最初に食べた人」の、食べた勇気をえらいと称えるには及ばない。食べるものに困った人類は、躊躇したり気持ち悪がったりせずに、後先を考えずに貪ったのである。
トウモロコシとパスタ
ぼくの「飲食店応援アクティビティ」のイタリア料理部門で優先上位の店。パスタはリングイーネ。使う具は生トウモロコシのそいだ実だけ。イネ目イネ科の共演である。これで勝負するのは勇気がいる。「なんだ、コーンだけか……」と言われかねないからだ。
しかし、パスタとはパスタという主役を食べる料理であって、パスタの顔を潰すような具沢山の脇役はよろしくない。ランチを注文すると、この店は野菜やハムや魚をふんだんに盛り合わせた前菜を出す。だから、パスタはシンプル。仕上げにチーズと黒胡椒を振る。
鶏のカラアゲ
めったに待たないが、揚がるのを待つことにした。待っている間に脳裏であの曲が流れた。
♪ ジョニーが来たなら伝えてよ
2時間待ってたと
割と元気よく出て行ったよと
お酒のついでに話してよ
友だちならそこのところうまく伝えて
遅まきながら「ジョニーのからあげ」の初体験。替え歌を作ってみようと思ったが、そんなに時間はかからなかった。