毎月26日

今日は826日。毎月26日が何の日であるかを知ったのは今年5月の下旬だった。よく通り過ぎる最寄りの区役所前ののぼりが目に止まった。ずっと以前からあったに違いないが、その日初めて気づいたのである。

この国には語呂合わせの好きな人が多い。日本語の特性が語呂合わせにおあつらえ向きだからである。英語で0から9までの一桁の数字で何かシャレを作ろうとしても限界がある。音が、zeroonetwo……eightnineでは語呂を合わせにくいのだ。ところが、日本語なら、4649で「よろしく」と読めるし、3341で「さみしい」と読める。電話番号を意味のあることばや文章にするのも朝飯前である。

こういう言語風土があればこそ、「何月何日は何の日」はやりたい放題になっている。毎月29日は「肉の日」であり、毎月19日は「インクの日」であり、そして、毎月26日は「ツーロックの日」なのである。なんと英語と日本語の併せ技で読むという芸当までやってのける。


最寄りの区役所とは大阪市中央区役所である。中央区にも地域差があって、ぼくの住居周辺はかなり治安がいい。けれども、区域が広がっているから、部分的には良からぬ一部居住者あるいは良からぬ一部ビジターがいる。中央区のひったくり、路上強盗、自動車・自転車の盗難件数は大阪市内でワーストワンになっている。このうち、自転車が60パーセントを占めているという。

ツーロックの日

そこで、毎月26日を自転車に錠をダブルでかけようということから、語呂合わせで「ツーロック」と読ませてキャンペーンが始まった。当初は中央区だけの運動かと思っていたが、市内全域、それどころか他府県でもこの日にキャンペーンがおこなわれているのを知った。今日がツーロックなら、16日は「ワンロック」でいいのかと意地悪を言われかねない。

もし語呂合わせにこだわらなければ、数週間連続でやればいいし、けしからぬ者にとっては路上犯罪は年中無休なのだから、毎日ツーロックで自転車を守るべきだろう。と、ここまで考えてはっと気がついた。今年は平成26年ではないか。何のことはない、このことに気づいていれば、「今年はツーロックの年」として11日から華々しくキャンペーンしておけばよかったのである。

投稿者:

アバター画像

proconcept

岡野勝志(おかのかつし) 企画の総合シンクタンク「株式会社プロコンセプト研究所」所長 企画アイディエーター/岡野塾主宰 ヒューマンスキルとコミュニケーションをテーマにしたオリジナルの新講座を開発し、私塾・セミナー・ワークショップ・研修のレクチャラーをつとめる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です