わからないことや知りたいことはわかっていそうな人や詳しそうな人に聞く。ずっとそうしてきたが、近頃は人との付き合いが少なくなり、気がつけば何でもかんでもAIに尋ねている始末。それでも人に聞ける場合はなるべくそうする。AIはその後の念のための確認でいい。
共同作業をおこなうチームや組織では人の経験値に期待して尋ねる。ワンオペで在宅ワークをしている知人らは本やウェブやAIでこまめに調べる。最近は、世間一般、ひとまずAIに尋ねることが多くなっているようだが、TPOに応じて上手に使い分けるのが理想だろう。
不案内な土地に出掛ける時は、所要時間や目的地やランドマークを事前に調べることはあるが、当地に行ってしまえばあまりスマホに依存することはない。ホテルに行けばフロントやコンシェルジュに聞けばいいし、食事処では店のおすすめを聞けばいい。
特に当てもなく「何かないかなあ」という感じで文具店や書店に入れば誰にも聞かない。ボールペンの替え芯やチェックしたい本があれば、ぼくは場所を探さずに手っ取り早く店員に聞く。百円ショップで必要なものを自力で探す人がいるが、入店したらすぐに店員に聞く。
不明不詳であってもAIの回答を求めるまでもないこともある。かと言って、わざわざ人に聞くまでもないかと判断する場合もある。とある串カツ(串揚げ)の店で、AIでもなくカウンター向こうの料理人でもなく、自分で判断しようとしたカップルを目撃した。

ぼくは先客だったので一方がソースで他方がポン酢の器だとわかっている。串が揚がる直前、カップルの女性が調味料の器を交互に持ち上げて嗅ぎ始めた。首を傾げて一言二言男性につぶやくと、男性も嗅ぎ始めた。
こういう店では3つか4つに仕切られた調味料皿が先に出され、そこに塩とレモンがすでに入っている。皿の空いたゾーンに好みの分量のソースやポン酢を客が入れる。器に何が入っているかわからなくても、調味料皿に少し注いだら見た目でソースかポン酢かがわかる。器の口を嗅ぐには及ばないし、嗅いでわかるともかぎらない。
食事処ではワインや日本酒やウィスキーを除いて、調味料や料理にむやみに鼻を近づけるのはよろしくない。この店には何度も来ているが、数ヵ月経つとどっちの壺がソースだったか忘れる。忘れても問題ないし、どうしても知りたいならどっちの壺がソースか聞けば済む。









