中華の庶民的なスタミナ料理と言えば、豚肉のレバニラ炒め(ぼくは「ニラレバ」と言う)。レバニラは、酢豚定食や回鍋肉定食と並ぶ人気の豚肉料理だ。豚肉や豚ホルモンに夏野菜やニンニクの芽などを加えて炒めた定食は元気もりもりになりそうな気がする。
鰻もいいが懐にやさしくない。牛肉の焼肉やすき焼きもいいが連日というわけにはいかない。夏のスタミナ源はやっぱり豚肉がお手頃だ。レシピが豊富なので週に2、3度食べても飽きない。
7月末からランチで食べ歩きした豚肉料理8品を紹介する。なお、エピソードがあれば書くが、いちいち「うまい」というコメントは入れない。
若い頃、夏場に街中華に入ったらレバニラ炒めか酢豚かだった(店が珉珉ならジンギスカン定食)。写真は最近たまに行く中華の店の一品だが、ニラが少なく見えるほどレバーがこれでもかというほど入っている。注文時に「ライス少なめ」と告げる。
焼いたチャーシューとレアのチャーシューを使うラーメン店。チャーシューの切れ端も無料でトッピングしてくれる。豚肉は牛肉よりもスープとの相性がいい。
一度きりだが、厚切りトンテキと薄切りトンテキをそれぞれ200グラム注文したことがある。さすがにきつかったので、今は厚切りと薄切り合わせて300グラム、しかも年に1回で十分。焼き上がった肉を濃いめのソース鍋にどぼんと漬ける。揚げて煮込んだニンニクは好きなだけ盛ってくれる。
定番のカツ丼。所望すればカツとじとライスを別盛りにしてくれる。麺類一式の店の人気のご飯ものはカツ丼と親子丼。これにミニうどんかミニそばが付く。
休日はたまに昼飲みする。たいてい白のスパークリング、それに生ハムを合わせる。ゆっくり噛みしめるように食べ、ハムのあとはパスタかピザをシェアしていただく。
焼きとんの店の〆ご飯。焼豚の下に月見が隠れている。生卵を見るとテンションを上げてかき混ぜるお方がいるが、かき混ぜ過ぎると味がわからなくなる。箸で黄身を崩したら、黄身の流れにまかせてご飯と肉をいっしょに食べるのがいい。
普段食べる酢豚はライスと合うが、この酢豚はビールでいただく。さらっとさっぱりした甘みのあるたれが薄切りの肉にまつわりつく。街中華では出ないが、中国の延辺や東北の料理店ではメニューに出ている。
豚肉のローストは脂と赤身のバランスと焼き加減で味にかなりの変化が出る。イベリコ豚という語感と厚切りした断面の視覚が食味に大いに影響する。