ペルージャⅠ
紀元前にエトルリアの由来をもつ古都――ペルージャについての知識はこれと、中田英寿が1998年イタリアデビューを果たした所属クラブの本拠地というくらいだった。それでも、一度は行ってみようと思っていたので、ローマ2泊とフィレンツェ4泊の予定の間に、ペルージャをはさむことにした。
旅程はウィーン~ローマ~ペルージャ~フィレンツェ~ボローニャ~ウィーン。ローマからボローニャへは列車の旅なので、細かくダイヤを調べていた。ローマ~フィレンツェに比べてローマ~ペルージャは少し面倒。ペルージャはローマとフィレンツェのほぼ中間に位置する。にもかかわらず、ローマ~ペルージャのほうがローマ~フィレンツェよりも時間がかかってしまう。これは、路線が逸れるのに加えて、直行便が少ないからだ。午後一番最初の直行便にユーロスター(ES)があったので、それを日本で予約しておいた。
列車時刻情報のみならず、この年は食事の内容やちょっとした日記などおびただしいメモをつけている。訪問した都市が多かったので、「アタマの中で捌いていた」のだろう。ちなみにローマからペルージャに向かった日にはこんなことを記していた。
3月9日(火曜日) ホテルスパーニャ(ローマ)での朝食ビュッフェは果物豊富。ランチはテルミニ駅内のトラットリア。チキンにポテト。ペンネのゴルゴンゾーラ。ローマテルミニ13:48発ES。ペルージャ15:53着。駅前バスターミナルから7番でイタリア広場へ。ペルージャでの夕食はスーパーで購入。瓶詰めムール貝、たっぷりサラダ、モツァレラ、カットピザ。
古い建物を改築した、いびつな構造のホテルにチェックイン。なんとバスが着いたイタリア広場裏手の路地に入ったすぐのところだった。夕暮れ前なので、荷解きもそこそこに街に出た。イタリア広場からヴァンヌッチ通りを北へ250メートルほど行くとクアットロ・ノヴェンブレ広場。「11月4日広場」という意味で、ここにペルージャの象徴的なシンボルである大聖堂、プリオーリ宮、大噴水などがひしめいている。
翌日は15:46発の列車でフィレンツェに向かう。ペルージャ滞在時間は正味一日もない。それでもどういうわけか、まったく急かされる気分にならない。こぢんまりと落ち着いたこの空気は中世色の建物とモノトーンな路地のせいか。団体観光客は見当たらない。店を覗き路地裏へも足を向け、暮れなずむまでの時間を惜しむように歩いてみた。気がつけば空腹感。お目当ての外食は明日のランチの楽しみにして、スーパーで食料を買い込んでホテルへ。すでに日が落ちていたが、暮れた街角にも心は打ち解けた。
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