食にまつわる語義と語源

知っておきたい食の世界史 web.jpg数日前、食に関する本を10数冊そばに置いて、気の向くままにページをめくっていると書いた。まだ途中だが、昨夜はこの本の第一章と第二章を興味深く読んだ。

食の話が楽しいのは言うまでもないが、ことばの由来に並々ならぬ関心を抱くぼくとしては、著者の語義と語源の薀蓄に何度も「へぇ、なるほど」を繰り返していた。知っていて損はないので、いくつか紹介しておくことにする。

【塩】 英語でsalt、ラテン語でsalである。ソーセージ(sausage)もサラミ(salami)もsal語源で塩漬けを意味している。なお、サラダ――フランス語でsalade――も塩なんだそうである。
【ピラフ】 トルコ語で「一椀の飯」を意味する炊き込みご飯である。この変形がイタリアのリゾットであり、スペインはバレンシア地方ではパエリャに変化した。
【サーロイン】 この知識はぼくの雑学に入っていたが、エピソードがおもしろい。17世紀の英国のジェームズ1世がある宴で風味豊かな牛肉を口にして感激した。「どの部位か?」「腰の背側の肩からももにかけてのロインloin)でございます」「ようし、その部位に貴族の称号サー(sir)を与えよう」……いうことになり、サーロイン(sirloin)。
【ポタージュ】 人類の食文化を一変させたのが加熱。粘土で壺を作って水分と食材の加熱が可能になった。これを「セラミック革命」と呼ぶ。壺を意味するポット(pot)から濃厚なスープ「ポタージュ(potage)」が派生した。

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岡野勝志(おかのかつし) 企画の総合シンクタンク「株式会社プロコンセプト研究所」所長 企画アイディエーター/岡野塾主宰 ヒューマンスキルとコミュニケーションをテーマにしたオリジナルの新講座を開発し、私塾・セミナー・ワークショップ・研修のレクチャラーをつとめる。

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