料理の色彩と記憶

先日、複数の店とメニューをチェックしていた。いろんな会の幹事をしているが、別に直近に集まりがあるからというわけではない。西洋料理店の定番のコースメニューにも目を通したが、以前ほど魅力を感じなくなった。

結婚式以外で洋食コース料理を最後に食べたのはもう10年以上も前。どんなコースだったかはうろ覚えだが、ノートに書いていたので一部思い出した(ノートにはいろんなことを書くが、料理のことや名称は今も割とマメに記録する)。招待されたその日のコースは下記の内容だった。

アミューズ:アボカドとビーツのスープ仕立て、エビのトッピング
前菜:鯛の昆布じめカルパッチョ
スープ:シーフードのミネストローネ
パスタ:鶏肉のペンネ、チーズ風味
魚料理:スズキのポワレ
肉料理:牛肉ロースのステーキ
デザート/コーヒー

こうしてメニューを見てみると、基本はイタリアンの店だったようだ。イタリアンにフレンチが少々入っている感じ。

招待なのでお値段はわからない。申し訳ないが、料理の見た目も味もあまり記憶にない。だいたいこの種の宴席では会話が多いので料理への意識が薄くなる。ホテルレストランなのだが、ドレスコードも緩かったし、格式ばったところもなかった。

一番印象に残っているのが、最初に出てきたアミューズの「アボカドとビーツのスープ仕立て」だ。目立つ色や記憶に残りやすい色については様々な見解があるが、ぼくの場合、赤と赤茶色に注意を引かれる。

トマトの赤、トウガラシ、スイーツならイチゴやベリー。ボロネーゼのソース、焼肉とつけだれの赤茶色。食後にも記憶の余韻が残る色彩だ。あの日のビーツのスープがどんな味だったかあまり覚えていないが、血液のような色の印象だけは今も残っている。