現在の場所(大阪天満橋)で起業してから34年余り。この界隈の何十何百という食事処で、おそらく7、8千食のランチを食べたりテイクアウトしたりしたはずである。官公庁と中堅中小企業が集中するエリアだが、元々は住宅と商店がおびただしい街で、飲食店も多種多様である。
飲食業は栄枯盛衰、街中に在る店は一方で閉ざしては消え、他方でまた新しく生まれるが、総じて長くはとどまらない……などと書けば『方丈記』の「ゆく河の流れ」のごとし。記憶が正しければ、起業時から変わらず残っているのは牛丼の「吉○家」のみである。
コロナ禍で出張が少なくなり、仕事の本場所にいる日々が増えた。在宅でのテレワークが性に合わないので、ほぼ毎日事務所に来ている。おびただしい食事処から「さて今日の昼はどこがよいだろうか」と迷うのはこれまで楽しみだったが、長い年月を経た今、選択と決断は悩ましい。
どちらかと言うと食性が広いぼくは毎日同じような弁当で済ませることはできない。「昼にどこで何を食べるか?」と思案するのはほぼ毎日のこと、簡単には決まらない。但し、コロナ以降はもっぱら孤食をしているから、「誰と」を考える必要がなくなった。食事相手を気遣うことなくマイペースが保てる。
この一カ月、外に出るだけで暑い。出てから迷い歩きしていては食事にありつく前に熱中症をわずらう。出掛ける前に近場の店のツイッターやインスタグラムで本日のメニューをチェックするようになった。したがって、行ってみるまでメニューがわからない店に行くことはほとんどない。おおよそ5、6店に行きつけの店を絞り、あらかじめ注文まで決めてから出掛ける。
一番のお気に入りは一か月ちょっと前に初めて入った「Y」。直近の半月だけで4度足を運んでいる。毎日工夫のある7種の定食がメニューで、和風が4種、洋食が2種、中華/エスニックが1種というラインアップ。値段は800円から上限1,400円。おおむね1,000円前後。
今日も行ってきた。目玉の鰻丼定食、1,380円を注文した。三河産の鰻とは良心的である。どの定食にも具だくさんの味噌汁と小鉢2品が付いている(日によってはデザートも)。これまでに注文した食事は以下の通り。この店をマイ食堂に指名してもいいと思うほど変化に富んでいて飽きない。