スタミナ料理の実効と気休め

体力に自信のない時にスタミナ料理は逆効果だと聞いたことがある。夏バテ防止を期待してスタミナ料理を食べても、疲れている時は胃腸も弱っているから即効回復は望めない。元気だからこそ、スタミナ料理をおいしく食べて上手に消化して効果が実感できる。

スタミナ料理とは何か? いくつもの説があるが、鰻や豚キムチやレバーのような、タンパク質、鉄、ビタミンB1/B2などの栄養素を含む料理というのが一般的。しかし、スタミナ料理と元気の因果関係はわからない。スタミナが実際につく人とつかない人がいるし、効いてはいないけれど気休めになっている場合もある。スタミナ料理を検証してみたい。


🥢 鰻丼や鰻重は「土用の丑」という語感効果で、スタミナ料理の象徴になり古典と位置づけられた。しかし、夏バテ防止や精をつけようと期待して食べるには高級過ぎる。鰻丼や鰻重は、滅多に口にしないのがよく、素直に「うまい!」と唸っていただくのがいい。お値段が高いほどうまさが増して元気になるように感じるのは錯覚である。

🥢 これでもかとばかりに鷹の爪、おろしニンニク、背脂、ネギが投入された中華そば。疑う余地のない男飯おとこめしで、早食いの客が多い。香ばしさと辛さと脂の複合スープは50メートル先の角を曲がった時点で強く匂ってくる。平らげた者はスタミナがついたと満足するが、そんなにすぐには効かない。確かなことは、ニンニク臭が翌日の昼頃まで残ることだ。

🥢 焼肉店の一番の推しはカルビということになっている。焼肉通は初めて入る店では必ずカルビを注文して品定めをするらしい。隠し包丁を巧みに入れたカルビが出てくるだけで、焼く前から味のイメージが湧き始める。とは言え、牛と豚と羊と鶏を比較すれば牛肉は人気一番で一番値も張るだろうが、スタミナ一番かどうかは検証できていない。

🥢 餃子は、ホルモンと並んで、人気のある元祖スタミナ食である。鰻が「古典」なら、餃子は親しみやすい「庶民」である。テイクアウトして自宅で焼いても十分うまい。庶民的な町中華で学生の頃からよく食べた。メインの一品だけで物足りないと思えば、必ず餃子を一、二人前追加した。瓶ビールでやるイーガーコーテルは真夏に負けない。

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岡野勝志(おかのかつし) 企画の総合シンクタンク「株式会社プロコンセプト研究所」所長 企画アイディエーター/岡野塾主宰 ヒューマンスキルとコミュニケーションをテーマにしたオリジナルの新講座を開発し、私塾・セミナー・ワークショップ・研修のレクチャラーをつとめる。

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