ぼくが生まれ、小学低学年時代を送った1950年代、日本の人口は世界5位だった。社会科で教わった中国、インド、アメリカ、ソ連、日本という順位をよく覚えている。現在に至るまで、上位の三国は変わっていない。ソビエト連邦が解体してからはインドネシアがずっと4位。ブラジル、パキスタン、バングラデシュ、ナイジェリアなどが追い越し、日本は現在10位である。ランキングマニアはどう言うか知らないが、ぼくはこの数字を見てすごいと思っている。FIFAのランクより上だ。
初めて「人口爆発」を耳にしたときは物騒な表現だと感じたものの、人間の数など一気に増えるものではない、仕掛けた爆弾が爆発するのとはわけが違うという受け止め方だった。ところが、産業革命の頃からではなく、有史以来からのグラフを見てみると、「右肩上がり」などは悠長な表現であることがわかる。ぼくの生まれた1950年代から急激に垂直と言ってもいいほどの方向に向かい始めているのだ。
そして、ついにと言うべきか、予想通りと言うべきか、わずかこの半世紀で2倍以上に膨らんだ人口が、2011年10月31日に記念すべき70億人に達したのである。少子化の懸念が強いわが国にしても昭和初期から見れば倍増している。予測では7、80年後にはその水準に戻るらしいが、それでも現在のフランス、イギリス、イタリアなどと同じ6,000万人前後だ。そうなる頃、これらの国の人口はさらに減少しているはずである。
西暦1800年の頃の世界人口は10億人だったそうだ。二百年で7倍である。紀元前、人口が1 億人増えるのに要したのは2500年。ところが、今では10億人増えるのにわずか12年という爆発ぶりである。人類が70億人をカウントした翌日の11月1日の午前8時、すでに25万人近くが増えていた。人口増加とは「誕生者-死亡者」であるから、実際はもっと大勢の赤ん坊が生まれていることになる。
文化の日の昨日の午前8時には70億にプラス61万人だった。その翌日の今日の午前中に見たら、80万人を超えていた。明朝には100万人を超えているはずである。関心がおありなら、http://arkot.com/jinkou/を覗かれるといい。〈世界人口時計〉なるものだ。その時々の心理によるが、刻々と増えていく数値を見ていると不思議な気分になってくる。また、何事かを考えようとしている自分に気づく。
なお、人ではなく、お金が湯水にように流されていく刻一刻を体感したければ、こちらの〈日本借金時計〉。馬鹿らしさを通りすぎて笑ってしまうだろう。http://debt.blogp.jp/