大阪市の北区と中央区は、この時期イルミネーションで華やかになる。年々コンテンツも多様化している。3年前までの数年間、御堂筋イルミネーションの業者選定審査員をしていた。立場上、1シーズンに2、3回足を運んで効果を検分した。その御堂筋イルミネーションは大晦日まで続く。
光の饗宴イベントはもう一つある。「OSAKA光のルネサンス2023」がそれ。こちらは8つのプログラムで構成されている。中之島イルミネーションストリートのみ大晦日まで続く。その他は今夜まで。光のルネサンスの一番人気は「大阪市中央公会堂プロジェクションマッピング」。過去5、6回鑑賞している。
クリスマスイブの昨日、近くで食事の予定があったので、早めに出て中之島に立寄った。数年ぶりのマッピングだ(何年か前までは「ウォールタペストリー」という名が付いていた記憶がある)。夕方4時半頃に着くとすでにかなりの人が集まっていた。5時から9時まで、7分間の作品が1時間に4回、合計16回上映される。
いつも夕食後に来ていたから、建物の背後は暗闇のスクリーンと化す時間帯。建物に投影されるカラフルな光の絵はくっきりと浮かび上がり、動きもよく見えた。ところが、昨日は5時ちょうどの1回目の上映に立ち会った。ついでに寄ったのだし、たぶん明るすぎてよく見えないだろうと了解してのこと。案の定だった。
期待して来た大勢の人たちはどう思ったのだろう。もう少し暗くなるのを待ってもう一度見た人はいいが、後に予定があればどうしようもない。おそらくがっかりして去った人も少なくなかったはず。いつぞやの上映ではどよめきが起こりフィナーレで拍手もあったが、昨日はシーンとしていた。
陰影あってのプロジェクションマッピングだ。まだ明るい5時にスタートする意味がない。6時か7時始まりにして10時までやればいい。人の夕方感覚は冬場で4時から7時、夏場で5時から8時ではないか。冬とは言え、5時台に上映しても作品は真価を発揮できない。
さて、今日が最終日。関係者でないから案ずることはないが、すっかり日暮れた時間帯にもう一度見てみるのも悪くないと思い始めている。それでがっかりなら、明暗の問題ではなく作品自体の問題になる。