日本を発つ前に換金し過ぎたために、使い切らずに持ち帰ったユーロ紙幣が引き出しに入っている。円高ユーロ安の2011年11月の換金だから、円安ユーロ高の今は1.5倍の価値になっている。
先月、リーフレットやチケット類を適当に入れていたファイルにバルセロナのサグラダファミリアの入場券を見つけた。2011年11月にバルセロナとパリに旅した時のもの。ペア入場料は23ユーロ。円高ユーロ安のおかげでバルセロナのホテルもパリのアパートもお得感いっぱいだった。入場したこの日は2011年11月15日、為替相場は1ユーロ105円。換算すると2,415円である。
打って変わって円安ユーロ高が続く昨今だ。2024年2月9日の今日、1ユーロは161円。サグラダファミリアのペア入場料は前より3ユーロ値上げされて26ユーロ。なんと入場料は4,186円に。もちろん、この驚きの感覚は現地に住む人にはない。日本から行って為替相場上で計算するゆえの驚きだ。
2009年6月、サンフランシスコとロサンゼルスに滞在していた。ロサンゼルスでは郊外の従妹の家で1週間過ごした。大谷翔平の移籍したドジャースの本拠地ドジャースタジアムのチケットを従妹が手配してくれて観戦に出掛けた。
料金がとても安いと感じた。なにしろ当時は1ドル91円と、考えられないほどの円高ドル安だったから。今日のドルははどうなっているか。1ドル149円である。ぼくの旅した頃と比較すると1ドルが58円高くなっている。
円高時のいい時にヨーロッパやアメリカに旅した人なら、円安の今は出掛けづらいだろう。幸いなことに、安い時にユーロを買っておいたので、まずまずの差益が出ている。その差益がなくならないうちに旅程を組むのも一案だと考える今日この頃。
現地では以前も今もコーヒーは1ユーロかそこらなのに、「前は110円だったのに今は160円か」などと旅人は失望する。旅に出るたびに通貨を「翻訳」しては感じる、実に不思議な為替相場のマジック。