ものは言いようと言われる。言いたいことは一つでも、表し方はいくらでもある。だから、ことばの表現をあれこれと吟味することになる。しかし、ものは言いようだけにとどまらない。ことばの配列にも意を注がねばならない。ものは並べ替えようでもあるのだ。
ここに簡単な計算式が4つある。伝えようとしている数字の関係性は同じ(2と3を足すと5になるという関係性)。しかし、数字の配列を変え、+を-の表現にしてみると、意味も変わるような気がするから不思議だ。並び方が変わって、視座が変位するのである。
Normal
豊かにして貧しく
健やかにして病み
微笑んでいても寂しく
颯爽として疲れている
Reverse
貧しくても豊かで
病んでいても健やか
寂しいのに微笑み
疲れても颯爽としている