ブリュッセルからの絵はがき

20111121日。午前10時過ぎ、パリ北駅から特急タリスに乗ってブリュッセルへ。日帰りの旅だ。

パリと同じくらいの温度だったが、少々底冷えしていた。すぐに電車やバスに乗ると身体が温まらないから、こんな時ほど歩くに限る。街の中心街の歴史地区までは地下鉄に乗ったが、あとは数時間あちこちをそぞろ歩きした。

これに先立つ1週間前のバルセロナ、さらに3日前にパリに着いてからも絵はがきを書いていないことに気がついた。友人や親類には書かないが、海外に出ると、留守番をしているスタッフには便りをするようにしている。ここまではがきを投函しなかったのは、他でもない、切手が買えなかったからだ。


ブリュッセルからの絵はがき.JPG

切手などどこででも売っていそうなものだが、実は、スペインでもフランスでもワインを買うよりもむずかしい。もちろん郵便局で買い求めればいいが、郵便局があちこちにあるわけではない。ふつうはタバコ屋で買う。だが、国際切手を置いていないところが多い。

運よく切手を売っているタバコ屋があり、その店でついでに絵はがきも買った。それでカフェに入り、カフェベルジーノを飲みながら、ささっとボールペンを走らせた。たわいもないことしか書いていないので、クローズアップされると恥ずかしい。近くのパッサージュのような通りに郵便ポストがあると聞いたので、投函しに行った。

そこにあるポストは壊れかけたような代物で、無事に集配してくれそうな雰囲気がまったくない。通りがかりの学生風の男性に聞いたら、これがポストだと言う。「だけど、1日に午後4時半1回きりの集配だけだから、明日になるね」と彼は付け加えた。時計は午後5時を回っていた。翌日の集配になるわけだし、何よりも信頼を寄せられない雰囲気のポストだ。と言うわけで、絵はがきを書いたという証明のために投函前に写真を撮ったのである。だから、消印が押されていない。

この絵はがき、投函日の4日後には大阪に着いていたらしい。つまり、集配してから3日後というわけだ。みすぼらしくて頼りないポストだったが、ブリュッセルの郵便局、案外しっかりしているではないか。

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岡野勝志(おかのかつし) 企画の総合シンクタンク「株式会社プロコンセプト研究所」所長 企画アイディエーター/岡野塾主宰 ヒューマンスキルとコミュニケーションをテーマにしたオリジナルの新講座を開発し、私塾・セミナー・ワークショップ・研修のレクチャラーをつとめる。

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